開発仕様書が残っていなくても、現行システムのマニュアル・画面・出力帳票と、CSVエクスポートされたデータをもとに、できるだけ安全・確実な移行を目指します。本資料は現時点で想定している手順・品質保証の考え方・体制と、初回打ち合わせで確認させていただきたい項目をまとめたものです。記載の進め方・数値は提案段階の想定(一例)であり、確認後に確定していきます。
「仕様書がない」「専門知識がない」状態からでも移行できます
現行「The CARD」の操作マニュアル・実際の入力画面・出力されている帳票・CSVの項目構造——この4点があれば、システムが何をどう計算・出力しているかを読み解いて再現できると考えています。多くの場合、旧開発会社への連絡は不要です。まずは現行画面と帳票をお見せいただくところから始められればと思います。
現状把握から本番切替まで、後戻りしない順序で進めます
現行「The CARD」のテーブル・項目・計算式・帳票を一覧化し、Access側でどう持つかの設計図を作ります。ここが移行の土台です。
The CARD から各データをCSV形式で書き出していただきます(エクスポート可能であることは確認済み)。手順が不明な場合は当社がお手伝いします。
CSVの各列を、Accessのどのテーブル・どの項目に入れるかの「対応表」を作成します。デモの「データ移行」画面でお見せしたマッピングがこれにあたります。
マッピングに沿って変換しながらAccessへ取り込み、1件も欠けていないかを機械と目視の両方で照合します。ここを最も丁寧に行います。
Accessシステムを実際に触っていただき、問題がないことを確認してから切り替えます。しばらくは現行と並行運用し、安心して移行できるようにします。
ただ移すだけでなく、後で使いやすい形に整えます
The CARD のデータをそのまま移すのではなく、Accessで検索・集計・再計算しやすい形に整えながら取り込みます。主な変換は次の通りです。
| 項目 | The CARD(現行) | Access(移行後)と狙い | |
|---|---|---|---|
| 生年月日・日付 | 文字列 19850312 |
日付型に変換 → 年齢の自動計算・期限管理が可能に | |
| 保有資格 (1人に複数) |
1レコードに SHIKAKU_1〜8 の横並び |
資格テーブルへ正規化 → 資格での絞り込み・有資格者名簿が簡単に | |
| 役員履歴 | 備考欄にテキストで記載 | 履歴テーブル化 → 就任・退任・担当を年で管理 | |
| 区分コード | コード値 1 / 2 |
マスタ照合で 「正組合員」「賛助会員」 と表示 | |
| 文字コード | Shift-JIS | Unicode へ変換 → 文字化けなく移行 | |
| 計算式 (保険料・組合費) |
The CARD 内に登録された式 | Accessのクエリ/関数+料率マスタで再現 → 料率改定は組合様ご自身で可能 |
保険料の区分単価・労災料率・建退共の証紙日額・組合費の単価などは、マスタ表で一元管理する形にします。制度改定や料率変更があっても、開発会社に頼らず、組合様が数値を書き換えるだけで全組合員に自動反映されます。
照合の考え方の一例です。件数・回数・基準は今後すり合わせて確定します
下表の照合方法・件数・合格基準・書類名は、品質を担保するための進め方の一例(たたき台)です。実際の設計・実施は担当エンジニアが行い、御組合のデータ量やご要望をふまえて、着手前に内容を一緒に固めていきます。数値(抽出件数・照合月数など)はいずれも目安の例とお考えください。
「丁寧に確認します」だけでは移行の不安は消えないと考えています。そこで誰が・いつ・どうやって照合し、何をもって合格とし、どんな書類でお見せするかを、下記のような形であらかじめ決めておく想定です。
| 照合の種類 | いつ | 誰が | やることの一例 | 合格基準(案) | お渡しする書類(案) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 件数照合 | 取込の都度 | 当社 | 元CSVの行数と、Access取込後のテーブル件数を集計クエリで自動カウントして突き合わせる想定です。取り込めなかった行は「日付として読めない」「必須項目が空」など理由つきの一覧に落とし、原因を直して再取込する流れを考えています。 | 差異 0 件 | 件数照合表 (CSV行数/取込件数/差異/エラー行の理由) |
| 2 合計値照合 | 取込の都度 | 当社 | 現行「The CARD」が実際に出力している集計帳票の数字(組合費の請求総額、保険料合計、加入者数など)を正解として、Access側の集計クエリの結果と1円・1人単位で突き合わせることを想定しています。 | 差異 0円 / 0人 | 合計値突合表 (現行帳票の値/移行後の値/差額) |
| 3 サンプル突合 | 取込後 受入前 |
当社 →組合様 |
無作為に抽出した数十件(例:30件)に加え、間違いが起きやすい特殊なケースを狙って数十件(例:20件)(外字を含む氏名/資格を多く持つ方/年度途中の加入・脱退/減免対象/退会済みなど)を選び、現行の帳票の実物と全項目を1件ずつ目視照合する想定です。最後に組合様にも実データで見ていただくステップを設けることを考えています。※抽出件数は目安の一例です。 | 全項目一致 | サンプル照合シート (現行値/移行後の値/判定○×) |
| 4 計算再現の検算 | 計算式の 移植後 |
当社 →組合様 |
現行が実際に発行した過去分の請求金額(例:直近12ヶ月分)を「正解」とし、同じ組合員・同じ料率でAccess側に再計算させて、1円単位で一致するかを確認する想定です。一致しない場合は式の解釈が違う可能性があるため、原因を特定してから先へ進む進め方を考えています。 | 全件 1円差なし | 検算結果一覧 (現行金額/再計算額/差額) |
上の照合結果をまとめた「データ移行検証報告書(仮称)」を組合様にご提出し、内容にご了承をいただいてから切替日を確定する形を考えています。また本番前に移行リハーサル(例:2回程度)を行い、当日ぶっつけ本番にならないようにする想定です。回数・進め方は御組合のご都合に合わせて調整します。
先回りして手を打っておくべきポイント
建設業では旧字体・外字(人名漢字)が混在しがち
文字コード変換時に外字・機種依存文字を検出して一覧化。該当分は個別に確認・置換し、氏名の取り違えを防ぎます。
現行の請求書・名簿の見た目が変わると現場が混乱
現行帳票の実物を基に、Accessレポートでレイアウトを可能な限り忠実に再現。切替時の違和感を最小化します。
仕様書がないため、式の意図を取り違える恐れ
現行の実際の出力金額と突き合わせて逆算検証。同じ入力で同じ結果が出ることを1件ずつ確認します。
切替のタイミングで日常業務が止まると困る
現行システムを止めずに並行稼働。切替直前の追加データも差分取込するため、業務を止めずに移行できます。
この場でお答えいただければ、移行の難易度とお見積りがほぼ固まります
データ移行は「できます」とお答えするだけでは意味がなく、何を・どこまで・どんな状態のデータを移すかで難易度も期間も変わります。下記は当社が移行案件で必ず確認している項目です。その場で分からない項目は「持ち帰り」で構いませんので、一緒に埋めていければと思います。
① 何年分を移すか/退会された方を含めるか ② データの整理(重複・表記ゆれの修正)まで当社で行うか ③ 保険料・組合費・証紙の計算ルールがどれだけ複雑か ④ 現行帳票を何種類・どこまで同じ見た目で再現するか
① The CARD の画面(実際に毎日使っている入力画面) ② 印刷している帳票の実物 ③ CSVを1本だけ書き出したサンプル
開発仕様書が残っていなくても、この3点があれば当社で内部の作りを読み解き、より正確な期間・費用をご提示できます。
まだ確定した計画ではありません。項目5の確認後に、正式な計画としてご提示します
移行するデータの年数・帳票の本数・計算ルールの複雑さによって、期間は大きく前後します。この図は進め方の順序をイメージいただくためのものとお考えください。実際の日程は、項目5の確認内容をふまえて改めてお出しします。
上図は進め方の順序を示す一例であり、確定した日程ではありません。実際の期間・工数・費用は、現行システムの規模と機能範囲を確認のうえで正式にお見積りいたします。
現行「The CARD」の画面と出力帳票を拝見できれば、より具体的な移行計画とお見積りをご提示できます。オンライン・対面どちらでも対応、導入後の保守もお任せいただけます(静岡県西部エリア対応)。